脱気・脱泡

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飲料の鮮度保つ脱気ポンプ
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中國新聞  2005年(平成17年)4月12日(火曜日)掲載


「挑む」


飲料の鮮度保つ脱気ポンプ
横田製作所(広島市中区)

飲料などの鮮度を保つ特殊なポンプが、全国の大手食品メーカーの注目を集めている。中堅のポンプメーカーの横田製作所が 2002年に開発した「脱気・脱泡ポンプ」。培ってきた独自技術をベースに、液体を運ぶというポンプが持つ機能の常識を大転換。液体に含まれる気体を取り除いて酸化や腐敗を防ぐ新技術で、食品分野に新たなニーズを見いだした。

酸素除去し腐敗防ぐ

「こんな小さな機械でできるのですか…」。担当者の目が、幅約1メートルのポンプ本体にくぎ付けとなった。脱気・脱泡ポンプの購入を検討する食品メーカーでの実演会。ポンプを通した後の飲料に含まれる酸素の量が急減したのを確かめた担当者に驚きの表情が浮かぶ。
食品メーカーがこのポンプに注目するのは、清涼飲料水や乳飲料などに含まれる酸素を取り除くことで酸化や腐敗を防ぎ、鮮度を長持ちさせる働きがあるからだ。開発を指揮した秋山真之取締役営業本部長 (63) は「食品の安全性に対する消費者の関心の高まりが追い風になっている」と受け止める。調理時の煮崩れを防ぎ、瓶詰めの際に泡が立たず正確な計量ができるメリットもある。

飲料の鮮度保つ脱気ポンプ 中国新聞社

中国新聞社提供

約8分の1に

構造はこうだ。円筒形のポンプの内側に付けた羽根車を高速回転させると、液体が薄い膜状になる。そこを真空ポンプで吸引すると、液体との気圧差で気体を効果的に抜き出せ、液体内の酸素量は水の場合で約8分の1に減らせるという。
食品工場では通常、液体から気体を取り除く場合、大型のタンクに液体をためて真空状態にして気体を抜いていた。装置は据え置き型で数千万円以上もする上、脱気効果にむらが出たり、粘性の高い液体に使えなかったりする弱点があった。

独自技術支えに発想転換

脱気・脱泡ポンプは、ポンプで液体を動かしながら効率よく気体を抜く。粘性の高い液体も処理でき、幅広い食品に使えるのが特徴だ。移設もしやすく、価格も約1千万円と安い。営業活動を本格化したこの一年間に食品メーカー6社に納入。約 20社から問い合わせが相次ぎ、予想以上の反響という。
開発の土台には、半世紀のポンプ製造で培った独自技術がある。得意技術は空気混じりの水でも吸引できる「自吸式」ポンプ。一般的なポンプは水に空気が混入すると吸引できなくなるが、同社の自吸式は水と空気をポンプ内の羽根車の回転で分離するため、一緒に吸い込める。第一号の開発は 1952(昭和27)年。当時、炭坑内にわき出る地下水の吸引などに使われた技術が、食品という思いがけない分野で発展を遂げた。
ポンプやバルブ関連で保有する特許技術は百件以上を数える。従業員百人強のメーカーとしては「異例の多さ」(中国経済産業局)といえる。近年は、腐食に強い特殊ステンレスを使った大型水族館の海水を循環させるポンプでトップシェアを占めるなど、特定の分野で強みを発揮。「基礎技術がポンプの素材や構造に生きている」と西文夫開発部次長は胸を張る。

ニーズが転機

顧客の声も開発の転機となった。脱気・脱泡ポンプは 2000年にマンションなどの貯水槽に水を吸い上げた上で、さび防止のため脱気する装置として開発した。だが反応はいまひとつだった。この時点では食品分野は「想定外」。転機は食品メーカーから舞い込んだ「脱気技術を飲料に応用できないか」という相談だった。「技術力だけで良い製品が生まれるとは限らない。市場ニーズと結び付いてこそ意味がある」。秋山取締役はあらためて痛感する。

<会社メモ> 広島市中区南吉島1丁目。1948年に創業。炭坑の排水用、火力発電所の脱硫装置用、水族館の海水循環用などの特殊ポンプで生産を伸ばした。全量を本社工場で生産している。2004年3月期の売上高は 16億8000万円。内訳はポンプが 4割、バルブ類が 3割、その他に鋼材なども扱う。従業員 120人。

<左上写真> 脱気・脱泡ポンプの実験設備を操作する開発スタッフと秋山取締役(右)
<右下写真> 食品用の脱気・脱泡ポンプ。上部に真空ポンプ、下部に飲料の気体を抜くポンプがある。


この製品のより詳しい説明については、脱泡・脱気ポンプ DP、ASP 型をご覧ください。
より大容量の脱泡に適した装置もあります。脱泡ポンプ UPSA 型をご覧ください。


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